骨髄異形成症候群は血液と骨髄の病気で
急性白血病などにも繋がる病気です。
赤血球・白血球・血小板が
減少していく事で
徐々に日常生活にも支障を
きたすようになっていきます。
このように症状が
悪くなっていく印象のある病気ですが、
その生存率はどれくらいなのでしょうか?
今回はそんな
「骨髄異形成症候群の生存率」
についてまとめました。
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「骨髄異形成症候群」の治療方法とは?
初期の段階で症状も軽度の場合は
治療をせず経過観察する事がありますが、
基本的には
年齢や状態・本人の意思によって
治療方法、生存率が違ってきます。
では、まずは
「骨髄異形成症候群の治療方法」
を簡単に説明します。
◇支持療法
症状や感染症・他の治療による
副作用などを軽減・予防するための治療です。
減少した血液細胞を補うために
赤血球または血小板の輸血、感染の予防や
治療のために抗真菌薬や抗生物質などの
投与などを行います。
◇化学療法
造血幹細胞の異常によって
未熟なままの細胞である芽球が
増加している場合、
芽球を減らす事を目的として行う治療です。
抗がん剤を注射もしくは
内服して芽球を殺したり
増殖を止めたりします。
嘔吐や下痢・食欲不振・脱毛など
様々な副作用があります。
◇同種造血幹細胞移植
骨髄異形成症候群の
完治が期待できる唯一の治療法です。
異常のある
造血幹細胞や血液細胞を破壊した後に
他人の正常な造血幹細胞を移植します。
大量の抗がん剤投与や全身への
放射線治療など強力な化学療法を行い、
副作用も強く、移植による合併症などの
危険も伴うので患者の負担は
大きなものになります。
そのため、
年齢や状態・予後予測・本人の意思を
十分に考慮した上で
治療を行うか決定します。
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「骨髄異形成症候群」の治療方法とは?
骨髄異形成症候群の生存率は
これまでの研究などから
検査所見で予後予測がされます。
予後予測とはこれからの
病気や治療の経過の予測することです。
今後の治療などにより
病気が良くなる可能性が高い場合は
「予後が良い」
悪くなる可能性が高い場合は
「予後が悪い」
などと分けられます。
それぞれの生存期間の中央値は、
予後が非常に良い場合:約9年
予後が良い場合:約5年
中間:約3年
予後が悪い場合:約1.5年
予後が非常に悪い場合:約9ヶ月
となっています。
中央値とは生存率50%を表していて
半分の人が生存できて
半分の人が亡くなっていると考えて下さい。
つまり、
これはあくまで中央値なので
当然10年以上の長期に渡って
生存する例もあります。
この数値は、年齢によっる差もあります。
例えば、
予後が非常に良い場合の10年生存率は、
60歳以下の場合は80%程度あるのに対して
60歳超の場合は40%に満たなくなります。
一方で、
予後が非常に悪い場合の1年生存率は、
60歳以下の場合は30%程度で
60歳超の場合は20%程度になります。
骨髄異形成症候群の生存率や治療を知ると
完治が難しい病気である事がわかります。
ただ、
症状を緩和する治療
進行を遅らせる治療
完治を目的とした治療
のどの場合でも家族や周りの
サポートが必要不可欠となります。
医師が家族と相談し、
自分に合った治療を
受けるようにして下さい。
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